厭家鶏、愛野雉
『 晋中興書 』
家で飼っている鶏よりも外のアヒルやキジのほうを好むこと。
自分の国のものを嫌い、他国のもののほうが良いと思うこと。
地方の人々の舶来主義は中央よりも強く、また地方の役人の中央至上主義も同様に強い。
国の地方機関や県ではほとんど問題にするレベルではなくなったけど、市町村の中央至上主義は根強いものがある。とくに合併市町村のほうがその傾向が強い。今後の自治運営の自信がなくて合併したのだから、そうなるのは当然といえば当然で、住民自体の思考が『家鶏野雉』に向いているのだからしょうがないのだが・・・。
中央至上主義については、またそのうち書こうと思うけど、今回は舶来主義と工芸に関して。
舶来主義といっても僕はさほど悪いこととは思わないが、好みや機能よりも名前(ブランド)で選ぶ人があまりにも多い。
僕自身も海外の品物で気に入ったものなどは、さすがにshopで買うのは高いので、ebayで物色するけど、ブランド名で商品を検索することはほとんど無い。ハッキリ言ってブランドはあまりよくわからない。仕事柄多少は知っていないとまずいとは思うけど、大きなブランドでデザイナーを外部から雇ってる処は特に興味ない。
探す時は最初は商品の特徴や分類を現す単語を調べて検索する。
わかりやすい例で言うと『 norfolk 』とか『 trachten 』とか、それで多ければ更に細かく素材や特徴の単語『 full belt 』とか『 hunting 』、そうして検索してざっと画像を見て、気に入ったのを見つけると、そのブランドで検索をかける。それでも、欲しいものに出会わなければ、ブランドの商品説明を翻訳サイトで翻訳し、商品特徴の中で気に入っている部分の説明の単語を再び検索。
そうして探し出すと、自分の本当に好みのものを見つけることができる。
ちなみに、外国語の翻訳をする場合に、インターネットの翻訳も便利だけど、↑のように特徴や分類を調べるのは、意外に紙の辞書のほうが使いやすい。紙の辞書とネットの画像検索で、頭の中の漠然とした欲しいもののカタチが出来上がっていく。
でも、この作業はとっても大事で面白い。雑誌やTVで人気のブランドを知って、そのままネットで検索するよりも、とても勉強になる。某ファッションショー番組や首都圏のブランド店やデパートのウィンドウを見るよりも、自分の本当に欲しいものを見つけられる。自分が何を欲しかったのかよくわかる。
そして、このようにして欲しいものを見つける作業を、できるだけ多くの地方の人、しかもできればものづくりに携わる人が実践して欲しいと思うのです。
なぜなら、そうして欲しいもののカタチが出来上がると、ふと思うのです。
『これって、岩手の気候、風土にも合うんじゃないかな』
『岩手でも同じもの、いやそれ以上のものができるんじゃないかな』
『岩手でも根付かせるためには、ここをこうしたほうがいいんじゃないかな』
岩手にいて、岩手で育った自分が、本当に欲しいものを頭の中で組上げていったのですから、当然そうなります。もし、同郷で連絡を取り合わない人たちが上の作業で、かなり似通ったものを欲しいと思ったのなら、それは岩手の文化となりえるものなのではないでしょうか。
たぶん、ただ流行りだからといってブランドから商品を選んでしまっては、その商品の持つ機能や意味を理解できないで使うことになる。そういった人たちが多ければ、いくら『地産地消』といいはっても、それも一時の流行で過ぎ去るのみ。
ちなみに、上の検索単語でもわかったと思うけど、僕がいま欲しいと思っているのは、イギリスのノーフォークジャケットなのですが、どうも素材の質感と一部のデザインが気に入らない。
岩手にはイギリスで発展したホームスパンがあります。それは岩手の気候風土にあったからで、そこから派生する服飾も岩手根付いて然るべきなのです。
ホームスパンがある岩手の人ですが、ホームスパンを意識しないで、自分の欲しい機能やデザインを突き詰めて考えていったら、ホームスパン素材が相応しいデザインへ集束していったのも面白いと思います。
やはり、極めて岩手的なものだと改めて思うのですが、ぜひ、多くの人に欲しいものをとことん突き詰めるということをやってもらいたいものです。
たぶん、今までお土産とか地場産品としか見ていなかったものが、とたんに誇れるもの、そして身に着けたくなるものになるのではないかと思います。なぜなら、この地で作られたものは、この地の人が考えて生まれてきたのですから、絶対に共感するところがあると思うのです。
先日、ものづくりのセミナーがあり、そのときに講師が海外ブランドの看板には必ず地名が書いてあると指摘されて、地域に根ざしているということを話しておりました。
全くそのとおりなのですが、その地域の色であり、その地域の形が、凝結して生まれたのが多くの本来の地域ブランドであると思うのです。僕が大きなブランドほど興味がないといったのは、大きなブランドほど、外部デザイナーを入れて、その地域の色や形の多くが失われてしまったからであり、どこにでもある、どこでもつくれるというものになってしまったからです。
とりあえず夏用にホームスパンじゃなく自家製&自分専用を考えてます。
他社製は財布と相談して余裕ができたら、ぜひやりたいね。
それと、合う靴(ブーツ)が欲しいけど、岩手には靴職人はいるのだろうか?
いつも、大砂河原の通りの馬具屋さんが気になるが、いつか寄ってみようと思う。
岩手に生まれて、岩手に育ち
あなたに感動を与えてくれた色はありませんか?
三陸の海の色。
春の新緑。
秋の紅葉。
あなたの傍に常にあって欲しいとは思いませんか?
あなたが身に着けたい岩手の色はないのですか?
あなたが異郷人に岩手の景色を尋ねられたときに、
その感動の色を伝えられるものを持っていますか?
三陸の海は、このブラウスのように。
岩手の紅葉は、このスカーフのように。
春の新緑は、このショールのように。
