今回の四川省大地震の影響もあって、今年のチベット旅行は中止しました。
四川省成都から地震被害のもっとも激しかった都江堰、文川などを通過して青海省へ抜ける川青公路のルートが旅程でした。
天地不仁、以万物為芻狗。
『 老子 』 五章
天地には仁愛の情はなく、天地は万物を藁人形の扱う。
今回の地震の被害をTVで見るにつけ、この言葉が重く圧し掛かります。
老子は儒家の仁は人間社会の狭い規範に基づくもので、もっと広い天地の世界では無情と無関心が万物の関係要素だと説いたようですが、だからこそ、人智が仁愛を以って天地の不仁を補い人を救う必要もあると感じました。
そして、まだ多くの人が瓦礫の下になっている時に不謹慎なことですが、自然の圧倒的な力の造形についても考えさせられます。
というのも、多くの人に感動を与える自然のダイナミックな景色の根底にある力は今回の地震のような人知を超える圧倒的なパワーによって得られているからです。
地震だけではなく火山や洪水などがもたらした結果として、我々が感嘆する雄大な景色の下には、多くの犠牲者がいることも多々あるのです。
四川省の山岳部では山崩れで堰止湖ができているらしいですが、東チベットの然烏という場所も大規模な山崩れで堰止湖が形成された場所です。
暇で興味がある方はグーグルアースでチベットのラサの西にある『 Rawok 』を検索し、そこにある写真を見てみてください。
大変な被害をもたらした山崩れだったようですが、この美しい景色には感嘆してしまいます。
日本にも会津磐梯山の周辺の桧原湖など美しい場所が多くありますが、多くの自然の美しい景色というのは、一方でこういった自然の脅威で犠牲者の上に作られたものも少なくないのです。
自然災害の悲劇は絶対に忘れてはならない一方で、復興のためにいつかはイメージの転換が図られなければならない、それでいて犠牲者と教訓のために負の部分も受け継いでいかなければならない。
今回の四川は現在進行系なのでもちろんですが、全ての自然の雄大な景色を見る度に、心の片隅にでも犠牲者のことを考えようと改めて思いました。
天地に藁人形のように扱われないために、科学技術の発達が必要なのだと改めて思う大災害です。
一方で人類の科学技術の発展が天地に対して不仁に接し、互いに不仁を貫いた結果として地球温暖化があるのでは?と考えてしまいます。
天地は不仁でも
人智は万物に仁愛をもって接する必要があると考えさせられる昨今です。
四川大地震とミャンマーサイクロン被害の犠牲者の冥福と、早い復興を心から祈ります。
それとできることは少ないですが、募金と、まだ先の話になりますが、復興したら必ずこの地を訪れようと考えてます。
