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2009年12月26日

Hucho hucho

サケ科イトウ属
Hucho hucho
(英)Danube salmon (英・独)huchen
DSC00751l.JPG

 ドナウ(ダニューブ)川に生息する。写真はドナウ川の支流のひとつSAVA川の上流のスロベニアで釣った。黒点は少なく、全般に青白い。とくに小型の個体は薄いオリーブ色で側部から腹部にかけては白い。下顎がやや前に出ており厚みがある。上顎も厚みがあり全体に唇が厚いように見える。頭部はやや扁平で他のイトウ属と同じだが、背びれの基部までゆるいカーブを描き、体高があるように思える。
 生息地の河川は大渕はあるものの、かなりの急流であり、北海道やモンゴルのイトウ属生息地を見ているものにとってはとても意外に思える。北海道の尻別川の中流域や斜里川の流れにも似ているが、さらに流れが強く急峻な地形である。体高はこの急流に適応した結果かもしれない。
DSC00749.JPG DSC00764.JPG
 今回は釣れたのは同行者の更井氏含め2尾だったが、ジンクリアーと呼ばれる、美しい澄んだ水の中、多くのHuchoを見ることができた。

 イトウ属はユーラシア大陸の東端の日本とロシア沿海州周辺に生息するHucho perryiと、主にロシアのシベリアに生息するHucho timen、そして西の端に生息するHucho hucho、飛び地のように生息域をもつHucho bleekeri Kimura(中国 長江上流)とHucho ishikawai (鴻緑江)の5種が知られているが、どの種も生息域の環境が悪化するなどして数を減らしていた。実際、長江上流の種は1980年代に捕獲された後、2006年冬に死骸が打ち上げられるまで生息の確認すらできなかった。
 日本のイトウは北海道に生息しているが、もともとの生息域の範囲から考えると、安泰といえる状況ではない。
 同様にドナウのhuchoも一時はかなり数を減らしたが、保護も進み、一部の河川では天然繁殖も継続して見られるようになっているらしい。近年、現地の釣り雑誌でもかなり特集記事が見られるようになってきた。現在ではフィッシングの対象魚としてスロベニアをはじめ、旧ユーゴスラビアのドナウ水系で保護と養殖による資源利用が進んできているようだ。実際、今回釣りをしたSAVA川のフィッシングエリアだけを見ると、絶滅を危惧されている魚とは思えない魚影の濃さであったが、天然魚の保護と、養殖放流による資源回復、漁期の制限で維持していると思われる。

2009年12月22日

帰国報告

スロベニアにてついに!!
Hucho hucho を釣上げました!!
PC160011.JPG
大きさは60程度でしたが、ついに実物を手にしました。
これにて、hucho属(イトウ属)の3種Hucho perryi(北海道)
Hucho timen(モンゴル)
Hucho Hucho(スロベニア ドナウ)を釣上げ

実物を目にした
Hucho bleekeri Kimura(長江 標本)
ものもあわせると
イトウ属4種の実物をこの目で確かに見たことになりました。

まさか釣れるとは思ってもいませんでした。
さらに川はとてもよく澄んでいて、メートル級も多数目撃。写真もたくさん撮りました。
いままでの釣りで一番の釣果といえます。

詳細は後ほど。

2007年2月16日

Huchoの分布

かなり大雑把でいいかげんなHucho属の分布図です。
huchomap1s.jpg
図1:
   一般的な分類では
   ■アムール川中流以西、
     エニセイ川以東の薄いブルーで色分けした部分が
     【Hucho timen】の分布域。
   ■ドナウ川水系上流のピンクの部分が
     【 Hucho Hucho 】。
   ■長江上流、瀾滄江上流の
    薄いオレンジの部分が
     【 Hucho bleekeri Kimura 】。
   ■中国、北朝鮮国境の鴨緑江付近の
    黄色の部分が
    【 Hucho ishikawai  】。
   ■ロシア沿海州とサハリン、日本の北海道の
    黄緑の部分が
    【 Hucho perryi 】。

   ※ シベリア北部はほんといいかげんです。(笑)
   ※ 参考文献は
      『freshwater Fish of Britain and Europe』、
      『漁業生物図鑑 北のさかなたち』ほか
      ネット上のフィッシングサイトの釣果情報と画像から
      malmaが勝手に判断して色を塗ってしまいました。(笑)
   
huchomap2s.jpg
図2:
   更に勝手な解釈で・・・
   ネット上の情報でも、他に伝え聞くところでもモンゴルのアムール川水系とセレンゲ川水系とではタイメンの雰囲気が違うのではということから作成した分布図です。
   個人的な思い入れもあってこうなりました。
   ■薄水色に塗った
     モンゴルのセレンゲ川以西エニセイ川以東が
     【 Hucho Hucho 】に限りなく近いタイメン。
     というよりほとんどHucho。
   ■緑に塗ったアムール川中流から上流域が
     【 Hucho perryi 】へ進化する過程のHucho=タイメン。
   という感じにタイメンを2つに分けて考えました。
   特に、研究者の中にはモンゴルのタイメンを【 Hucho Hucho 】と同種であると考える向きもあるようですが、アムール水系のタイメンはフッヘンと同じには見えません。エニセイ川のタイメンはNHKの番組でしか見てませんが、体型はタイメンですが黒点などはフッヘンと同じに見えました。体型については水流など生息環境で変化するのであまりあてにはならないのですが・・・。
   同様に考えると、【 Hucho ishikawai  】というのは地理的にもタイメンから更に【 Hucho perryi 】に近づいてきている種かもしれません。
   ヨーロッパと長江上流のHucho属はそれぞれ急峻な山岳地帯に取り残されて独自に進化してきた種だけど、似た環境で進化してきたので当然似たような姿形になったとも考えられます。

2007年2月 7日

Hucho Hucho

Hucho hucho

イトウ属の中での比較 ※1
 ◇ 他のイトウよりやや口が大きい。
 ◇ 【perryi】・【timen】と比べて黒点が大きく少ない。
 ◇ 【 Hucho bleekeri Kimura 】に似た黒点。
 ◇ 【perryi】・【timen】よりは体高のあるものが多いが
    【 Hucho bleekeri Kimura 】よりは細い。
 ◇ 【perryi】より体側の黒点が明瞭でまばら。

※1 実物を見たことがないので、下記のサイトの写真から生体を想像して描きました。
【 angelgeraete-kerlerHuchen画像 】

2007年2月 3日

Huchenに関するサイト Ⅱ

【 フリーライドアングラーズ 】の更井様からスロバキアのフライフィッシングサイトにHuchen画像があるとメールを頂きました。
【 Flyfishing in Slovakia
ですが、小型のHuchenの画像があります。小型といっても30センチから40センチほどはあるでしょうか。そのサイズでも薄っすらですがパーマークが見えています。
とても興味深いですね。

2007年2月 2日

Huchenに関するサイト

昨日は日本のイトウの保護に関する情報を発信していたり、実際に保護に取り組んでいる組織のサイトを紹介しました。
今日はヨーロッパのイトウであるHuchen(Hucho hucho)に関するサイトです。
3つありますがどれも同じドナウ川のオーストリア国内での保護プロジェクトに関するものです。
【 LIFE- NATUR PROJEKT LEBENSRAUM HUCHEN 】はHuchenの生活圏を保全、取り戻すための河川改修などが紹介されているようです。ドイツ語がよくわからないので画像を見ただけの判断なんですが・・・。
【 Life Natur Vernetzung Donau - Ybbs】はHuchenだけではない地域全体の環境保全的な取り組みを紹介しているような・・・。
【 LIFE-NATUR Lebensraum Huchen Monitoring 】は最初の【 LIFE- NATUR PROJEKT LEBENSRAUM HUCHEN 】と同じ題なのですが、URLが異なるのと、副題も”Monitoring”とありますし中身の画像もHuchenそのものですから、保護のための調査や研究、増殖に向けた取り組みについて書かれているのだと思います。この3つの中では最後の【 LIFE-NATUR Lebensraum Huchen Monitoring 】が一番Huchenの画像が豊富で見ごたえがあります。

で!!お願いなのですが、ドイツ語の堪能な方、どうか管理人malmaにこのサイトの中身について詳しくご教授ください。お願いします。