
かなり大雑把でいいかげんなHucho属の分布図です。

図1:
一般的な分類では
■アムール川中流以西、
エニセイ川以東の薄いブルーで色分けした部分が
【Hucho timen】の分布域。
■ドナウ川水系上流のピンクの部分が
【 Hucho Hucho 】。
■長江上流、瀾滄江上流の
薄いオレンジの部分が
【 Hucho bleekeri Kimura 】。
■中国、北朝鮮国境の鴨緑江付近の
黄色の部分が
【 Hucho ishikawai 】。
■ロシア沿海州とサハリン、日本の北海道の
黄緑の部分が
【 Hucho perryi 】。
※ シベリア北部はほんといいかげんです。(笑)
※ 参考文献は
『freshwater Fish of Britain and Europe』、
『漁業生物図鑑 北のさかなたち』ほか
ネット上のフィッシングサイトの釣果情報と画像から
malmaが勝手に判断して色を塗ってしまいました。(笑)

図2:
更に勝手な解釈で・・・
ネット上の情報でも、他に伝え聞くところでもモンゴルのアムール川水系とセレンゲ川水系とではタイメンの雰囲気が違うのではということから作成した分布図です。
個人的な思い入れもあってこうなりました。
■薄水色に塗った
モンゴルのセレンゲ川以西エニセイ川以東が
【 Hucho Hucho 】に限りなく近いタイメン。
というよりほとんどHucho。
■緑に塗ったアムール川中流から上流域が
【 Hucho perryi 】へ進化する過程のHucho=タイメン。
という感じにタイメンを2つに分けて考えました。
特に、研究者の中にはモンゴルのタイメンを【 Hucho Hucho 】と同種であると考える向きもあるようですが、アムール水系のタイメンはフッヘンと同じには見えません。エニセイ川のタイメンはNHKの番組でしか見てませんが、体型はタイメンですが黒点などはフッヘンと同じに見えました。体型については水流など生息環境で変化するのであまりあてにはならないのですが・・・。
同様に考えると、【 Hucho ishikawai 】というのは地理的にもタイメンから更に【 Hucho perryi 】に近づいてきている種かもしれません。
ヨーロッパと長江上流のHucho属はそれぞれ急峻な山岳地帯に取り残されて独自に進化してきた種だけど、似た環境で進化してきたので当然似たような姿形になったとも考えられます。
タイメンとイトウは明らかに違うんだけど、その違いを表すのはとても難しい。
一番の違いは黒点がタイメンの方が少なく明瞭だが、とくに小型のタイメンではイトウとの差が少なく感じる。
モンゴルで見る実物は「あぁ!!やっぱりイトウとは違うぞ!!」
って思うんだけど・・・。
イワナの場合も、「ニッコウイワナの濃い朱色の着色斑とオショロコマの朱点とどう違うんだ?」といわれると違うということはわかっていても表現しづらい。
とりあえず【 Hucho taimen 】と【 Hucho perryi 】の頭部の画像です。
違いが伝わるでしょうか・・・?
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注目して欲しいのは頭の形よりも、黒点の現れ方です。
上2枚が【 Hucho perryi 】です。
下2枚が【 Hucho taimen 】になります。
頭部の形状については後ほど。
まず、taimenの方が黒点がずっとまばらなのがわかると思います。次に黒点の形状がperryiより明瞭だとは思いませんか?点というよりは斑に近いと思います。
よく見ると、大きな黒点は鱗2枚~3枚組みで一つの黒点模様をつくっています。
一方のperryiは黒い鱗や一部が黒い鱗がほとんどの場合隣り合わずにランダムに配されています。
次に【 Hucho ishikawai 】はというと。
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より明瞭に黒点というより黒斑が現れています。黒点はtaimenやperryiよりさらにまばらです。
数枚の黒い鱗の集合(ほとんど縦の組み合わせ)で、やや縦に細長い模様です。
ヨーロッパのドナウ川のイトウのHuchenもチョウコウイトウと同様の黒点のようですが、僕は実物を見たことがないので・・・。機会があれば見てみたいですね。
Hucho ishikawai Mori 1928
イトウ属の中での比較 ※2
? 下顎が長いらしい。
? 背中が黄褐色らしい。
※2
まったくの謎の魚です。
ネットで調べると形態を表すのは以下の一文。
「Body streamlined; interorbital width broader; lower jaw slightly longer than upper jaw or equal; scales small, covered with all around body except abdomen; head long and flattened. Yellowish brown back.」
【 Korean Freshwater Database >>korean timen 】
他に、吉林省農業大学学報
「鴨緑江上流のオショロコマの食性分析および生体について」
(JOURNAL OF JILIN AGRICULTURAL UNIVERSITY 1999年 第21卷 第4期 vol.21 No.4 1999)
の中にこんな一文。
『肉食性魚類(如石川哲羅魚)和其它食昆虫魚類(如細鱗魚)几乎絶迹。』
肉食性の魚類のHucho ishikawaiと昆虫捕食魚類のレノックはほとんど(かなり確定的な意味で)跡を絶つ。
参考サイト
【 Korean Freshwater Fishes >> Korean taimen 】
【 Korean timen 】
【 fishbase 】
たぶん絶滅?それとも【timen】と同じ可能性もあります。
中国、北朝鮮の国境を流れる川ですからテレビではよく見ますが、釣りは無理そうです。それと、吉林省は野生生物が完全な禁猟となっているそうで、もちろん自然の河川での釣りも禁止と聞いております。
カテゴリはわざわざ作るまでもないと思いましたので、Huchoとタイメン、チョウコウイトウにエントリーしておきました。
モンゴルのオノン川ではタイメンを撮影するために、わざわざ水槽を作って持って行きました。
結局、水槽に入るサイズは1尾だけしか釣れずに、それ以上の大きさばかりが釣れました。
それで、デジカメのマリンパックを使って水中撮影をしたわけですが、潜ったわけではなくて、水中にカメラだけを突っ込んで適当にシャッターを押し続けるという無謀な撮影を試みたわけです。
こんな撮影方法ができるのもデジカメの良いところで、水中から上げてすぐに撮れ具合をチェックしてダメなのは破棄、それを何度も繰り返しできますし。
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撮影中は、タイメンは紐で繋いでいましたが全く暴れる様子もなくおとなしい状態でした。その後リリースしても、急には動かずしばらく同じ場所を泳いでいて、ゆっくりと深い淵へと戻っていきました。
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モンゴルの川は北海道の湿原の川のように植物のタンニンの影響で黒く色がついており、さらに重い流れのため細かい砂が常に舞っています。そのため大きなタイメンの全景は撮ることができませんでした。タイメンをゆうゆう撮影するためには最低90センチ強の水槽を持っていくしかありません。
方法としてはスーツケースまたはリュックサックの内寸と同じに作って、持って行く時は中に旅行用品を詰めていく。または現地組み立てで終わったら解体して持って帰る。
いずれにしても、再び大物が狙える海外釣行には、今度は大きな水槽を持って行きます!!