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イトウを水槽に入れてから1ヶ月経ちました。
1ヶ月で1センチ大きくなりました。
一尾は尾の奇形だったのですが一番元気がよく、餌をよく食べ鰭が赤味を帯びてきました。
餌は朝は冷凍アカムシ、夜はクリル(乾燥オキアミ)を小さく砕いて与えています。
尾鰭、尻鰭、腹鰭の先端が白いところから、イトウはイワナよりヤマメなど【 Oncorhynchus属 】に近いのではないかと思わせます。子供のイトウの姿もニジマスの子供とそっくりです。
以前のエントリーでイトウの子供は意外と食が細いと書きましたが、相変わらず一度に食べる量自体は少ない代わりに、冷凍アカムシを水槽に投入するとまだ凍っているうちから突付き始める様になりました。しかも、その際に水槽内の5尾が殺到して、激しい喧嘩まで起こします。ときどき鱗が剥がれるくらいまで相手に噛み付いたりするようになってしまいました。
普段のイトウの子供たちは中層の縄張りが一番強い個体が占めるようでよく動き回り、底層と表層に弱い個体が静かに定位しているといった感じです。
水槽という閉鎖空間の流水なので上流、下流の区分けがありません。自然界ではもう少し複雑な縄張りが敷かれているのかもしれません。それと、ヤマメの子供達もいるでしょうから別種との縄張り関係などもどうなっているか?瀬などを泳いでいて親やイワナなどに食べられはしないか?など、興味は尽きません。水槽内では、水草や石などを配して隠れ家となるようにしていますが、弱い個体も含めて利用する様子はありません。同じ魚食性の強いブラウンやイワナの子供などは明るい時などはよくこのような隠れ家を利用するのですが・・・。魚食性の強い魚は子供のときは臆病だと思っていましたが、イトウは子供のときから『魚鬼』なのかもしれません。もう少し、様子を見てみましょう。
かなり大雑把でいいかげんなHucho属の分布図です。

図1:
一般的な分類では
■アムール川中流以西、
エニセイ川以東の薄いブルーで色分けした部分が
【Hucho timen】の分布域。
■ドナウ川水系上流のピンクの部分が
【 Hucho Hucho 】。
■長江上流、瀾滄江上流の
薄いオレンジの部分が
【 Hucho bleekeri Kimura 】。
■中国、北朝鮮国境の鴨緑江付近の
黄色の部分が
【 Hucho ishikawai 】。
■ロシア沿海州とサハリン、日本の北海道の
黄緑の部分が
【 Hucho perryi 】。
※ シベリア北部はほんといいかげんです。(笑)
※ 参考文献は
『freshwater Fish of Britain and Europe』、
『漁業生物図鑑 北のさかなたち』ほか
ネット上のフィッシングサイトの釣果情報と画像から
malmaが勝手に判断して色を塗ってしまいました。(笑)

図2:
更に勝手な解釈で・・・
ネット上の情報でも、他に伝え聞くところでもモンゴルのアムール川水系とセレンゲ川水系とではタイメンの雰囲気が違うのではということから作成した分布図です。
個人的な思い入れもあってこうなりました。
■薄水色に塗った
モンゴルのセレンゲ川以西エニセイ川以東が
【 Hucho Hucho 】に限りなく近いタイメン。
というよりほとんどHucho。
■緑に塗ったアムール川中流から上流域が
【 Hucho perryi 】へ進化する過程のHucho=タイメン。
という感じにタイメンを2つに分けて考えました。
特に、研究者の中にはモンゴルのタイメンを【 Hucho Hucho 】と同種であると考える向きもあるようですが、アムール水系のタイメンはフッヘンと同じには見えません。エニセイ川のタイメンはNHKの番組でしか見てませんが、体型はタイメンですが黒点などはフッヘンと同じに見えました。体型については水流など生息環境で変化するのであまりあてにはならないのですが・・・。
同様に考えると、【 Hucho ishikawai 】というのは地理的にもタイメンから更に【 Hucho perryi 】に近づいてきている種かもしれません。
ヨーロッパと長江上流のHucho属はそれぞれ急峻な山岳地帯に取り残されて独自に進化してきた種だけど、似た環境で進化してきたので当然似たような姿形になったとも考えられます。
タイメンとイトウは明らかに違うんだけど、その違いを表すのはとても難しい。
一番の違いは黒点がタイメンの方が少なく明瞭だが、とくに小型のタイメンではイトウとの差が少なく感じる。
モンゴルで見る実物は「あぁ!!やっぱりイトウとは違うぞ!!」
って思うんだけど・・・。
イワナの場合も、「ニッコウイワナの濃い朱色の着色斑とオショロコマの朱点とどう違うんだ?」といわれると違うということはわかっていても表現しづらい。
とりあえず【 Hucho taimen 】と【 Hucho perryi 】の頭部の画像です。
違いが伝わるでしょうか・・・?
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注目して欲しいのは頭の形よりも、黒点の現れ方です。
上2枚が【 Hucho perryi 】です。
下2枚が【 Hucho taimen 】になります。
頭部の形状については後ほど。
まず、taimenの方が黒点がずっとまばらなのがわかると思います。次に黒点の形状がperryiより明瞭だとは思いませんか?点というよりは斑に近いと思います。
よく見ると、大きな黒点は鱗2枚~3枚組みで一つの黒点模様をつくっています。
一方のperryiは黒い鱗や一部が黒い鱗がほとんどの場合隣り合わずにランダムに配されています。
次に【 Hucho ishikawai 】はというと。
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より明瞭に黒点というより黒斑が現れています。黒点はtaimenやperryiよりさらにまばらです。
数枚の黒い鱗の集合(ほとんど縦の組み合わせ)で、やや縦に細長い模様です。
ヨーロッパのドナウ川のイトウのHuchenもチョウコウイトウと同様の黒点のようですが、僕は実物を見たことがないので・・・。機会があれば見てみたいですね。
猿払といえば釣り人の間ではイトウの聖地ともいえるほど有名ですが、国内の他の地域にない雄大な景色もほんとうに素晴しいところです。
前のエントリーでこの猿払の雄大な風景を写真で紹介されている【 さるふつ川河川管理局 】さんのリンクを貼りました。
僕も猿払は10年以上前から数年前まで何度も訪れています。何度も行っている割にイトウは3尾しか釣っていないのですが・・・。
それでも、雄大な景色の中ぽつんと釣りをしていると時間が止まっているような、とても不思議な感覚に包まれます。
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この写真は1994年のですが、この前年か2年前辺りから毎年行ったモケウニ沼です。
イトウの魚影は濃くはありませんが、とても静かで、雄大で、あぁ道北に着たんだなぁーとしみじみ感じられる場所でお気に入りです。
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画像は夕日ですが、朝日も素晴しくきれいな場所です。
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もう一箇所は『カムイト沼』。名前がいいですよね。
まわりも鬱蒼とした森林に囲まれて、夏の晴れた日でも一人で釣りをするのは不安な場所です。
すぐそばの林からヒグマができそうな場所です。
他にも、猿骨川や猿払中流域の氾濫原、知来別川などイトウが棲み、美しい原始の水辺を見せてくれる場所がたくさんあります。
・2007年2月3日飼育開始
開始尾数
・養魚場よりイトウ幼魚5尾購入。
大きさ
・5cm~7cm。
原産地
・北海道 阿寒
飼育地
・青森県
状態
・1尾は尾が二つに裂ける奇形。
・1尾は鱗が剥がれているが、
前回別の養魚場から購入したものより格段に良い状態。
特に養殖イトウや養殖イワナに見られるエラ蓋、胸鰭の欠損がない。
各鰭とも欠損や曲がりは見当たらない。
養殖ものとしては最上級の個体。
給餌
・水槽2日後に冷凍アカムシを食べ始める。
・水槽4日後より1日2回、冷凍アカムシを与える。
・同サイズの他のトラウトより食が細い。
水槽環境
・90cm水槽
・水温 8℃±2℃
・水深20センチ
・濾過装置による流水。
・水草クレソン。
・デコレーションは珪化木3個。
・底砂は黒碁石(大)、五色砂、モス付き川石。
イトウに関して流水といえば、様々なサイトで釣り上げられたイトウの画像をダウンロードして連続して観察すると、流れの速い河川のイトウは体高があるものが多いような気がします。具体的には国内は道東の斜里川と道南の尻別川のイトウ。国外はモンゴルの中部のタイメン。中国の長江イトウ。ヨーロッパのhuchen。これらに対して、北海道道北、サハリンのイトウ、シベリアのタイメンなどが細長く、背の形状が直線的な気がします。
遺伝的なことなのか、生息環境の影響なのかはわかりませんが、どちらのイトウも王者に相応しい姿形です。
さて、本題のイトウですが中型魚までの状態は、やはり本場北海道で非常に状態は良いのですが、大型魚になると養殖イトウ特有の丸顔になっています。展示水槽は外光の入るスペースのため時間帯によって映り込みが激しく見づらい。ただし、浅い水槽で上から覗き込めるのイトウの大きさをより実感できる。
稚魚コーナーにもイトウの稚魚が展示されていました。ここは、様々なサケ科魚類の稚魚を身近に観察できるのでお勧めのコーナーです。
成魚の展示はもう少し水槽内部に工夫の欲しいところです。
でも、僕は道東釣行をすると必ず半日以上ここで魚を眺めて過ごします。
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撮影場所:
【 札幌豊平川さけ科学館 】
撮影2002年
ここは、比較的小さな施設ですが名前の通りサケに特化した展示施設です。
池にイトウが泳いでいます。
小さな展示水槽では間近に魚を観察できます。アルビノなども展示されることがあるようです。小さい水槽なので魚は頻繁に状態の良いものと交換されているのかもしれません。半地下のようなところから外池の魚を見ることができますが、養殖池の中のようです。
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撮影場所:
岐阜県 【 世界淡水魚園水族館 アクアトト 】
岐阜県各務ヶ原市にある淡水魚に特化した水族館。
新しい水族館なので飼育方法も、かなり養殖→アクアリウムへ転換しています。
旧来の淡水魚飼育では『底砂をしかない・障害物を置かない・水槽壁面をブルー、白にする』などなどでしたが、近年はアマチュアのアクアリストの水草水槽や熱帯魚水槽の飼育方法が水族館でもだいぶ定着するようになってきました。
ここのイトウ水槽にはちゃんと底砂と流木があります。施設が新しいせいかイトウの状態は良いと思います。また、その他の渓流魚についても比較的状態もよく、展示方法も他より優れています。
今回はイトウを中心に3つの施設をみてみました。
イトウは水族館の展示でも人気のある魚種ですが、せっかく見に来てくれたお客さんが『ワァー!!』って声を上げたくなるような展示を目指して欲しいものです。実際には鰭が欠損していたり、奇形だったり、状態の悪いものが多すぎです。
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イトウの養殖場で見せてもらった養魚池にはイトウのアルビノも泳いでいた。
自然界でもアルビノは発生するが目立つ色のため、天敵に狙われやすく容易く捕まってしまう。
ニジマスが最もよく知られているが、イワナにもヤマメにも発生する。
アルビノのサケ科魚類は優性なので人工的に増やすのは簡単だが、自然界では滅多にお目にかかれないのは、それだけ体の色で生存率が下がるためで、自然界では淘汰される存在。
体色が黄金色だと天敵に狙われやすいだけでなく、自分の食べたい餌にも逃げられてしまうからかもしれない。
うちの沼にアルビノのニジマスを放したときは、数日で鳶に食べられてしまった。
自然界で生き残れるアルビノはよほど強運の持ち主かもしれない。
イトウ
学名:Hucho perryi
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※画像は養殖物でまだ幼魚です。
※状態がよくありませんが、コンテンツにタイメンがあってイトウがないのは納得できないのでアップしました。
特徴
背部にやや細かな黒色斑点が多数散在する。
頭部はやや扁平で、体色は緑褐色から鼠色だが婚姻色は体側とくに尾部にかけて朱色に染まり美しい。
ニジマスと同じ春の産卵で、雪解けの低い水温で受精、発眼まで至らないと正常に孵化し育つことができない。
成魚も低い水温で飼育すると美形に育つが、狭い施設、過密で高水温で飼育すると頭部が丸くなる傾向がある。
画像の通り、20センチぐらいまでの幼魚にはパーマークが薄っすら有る。
画像の養殖ものの幼魚たちは、かわいそうにあっさりと水カビ病で死んでしまいました。
なぜか、養殖魚を水槽で飼育してうまくいったためしがない・・・。
養殖魚は病気に弱すぎる!!
天然魚が欲しいというのが本音だが、現地の北海道では産卵床の激減が報告されており、産卵、孵化、稚魚が正常に育つ環境がなくなっている事を考えると、モンゴルで使った現場水槽で成魚の撮影を試みようと思う。