シロザケ(サケ) Ⅰ
学名:Oncorhynchus keta
日本人にとってサケといえばこの魚です。北日本特に太平洋側では岩手県沿岸から北海道にかけて、日本海側では新潟県以北の河川に多く遡上します。
魚体には他のOncorhynchus属やsalmo属の多くに見られるような黒点はありません。※1
母川回帰性が強く、ほとんどのサケ(稀に迷い鮭として別の川に上ったり、成熟前に早く川に帰ってしまう個体もいる)は海洋で成熟した後、自分の生まれた川へ遡上し産卵する。そして親魚は産卵後は死んでしまう。海洋で成熟するサケ科魚類の多くは1度の産卵でその一生を終える。(アメマスなどの例外もある)
オスは成熟すると上顎が鉤状に発達し、体側にブナの木の模様に似たブナ斑が現れる。
メスはオスに比べて大きな変化はないが、体側にはオスよりやや薄いブナ斑が現れる。
78センチメス。
オスは上顎が鉤状に発達し、下あごの先端にも鋭い歯も発達する。
※1
魚屋さんで売られているサケ・マスはほとんどが海洋で獲れるため青緑色から銀色の魚体で種類までを見分けるのが大変です。
新鮮なサケ・マスであれば多少は見分けがつきます。
背中の部分に黒点がないものがシロサケ。
販売名:サケ、シロサケ、アキアジなどなど
青みが強く背中の黒点が大きくやや身が薄く鱗が小さいものがカラフトマス。
販売名:アオマス、サクラマス、鮭缶や塩マスのほとんどがカラフトマス。
カラフトマスよりやや銀色がかって黒点が少し小さいものがサクラマス。
販売名:マス、ホンマス、アオマス、ママス、サクラマス。富山の鱒鮨は本来サクラマス。
カラフトマスより輝きのある銀色で同様の黒点だが更に薄いいろで数も少なめでやや実が厚く赤味が強いのがベニサケ。
販売名:ベニジャケ、ベニザケ、ふつう塩焼きのサケでポピュラー。
カラフトマスより小さく不明瞭な黒点が散在しているものはギンザケ。
販売名:ギンザケ、サケ、マス
同様に細かい黒点で体側に薄い虹色の帯のあるものはトラウトサーモン(ニジマス)。
販売名:トラウト、トラウトサーモン、回転寿司ではサーモンとして出ています。
ちなみに、これは僕が旅行先や地元の食料品店などで調べてまわったので、地域によって名称が違っていたり、重複やまったく逆の名称が使われていたりするかもしれません。
今回は日本を代表するシロサケの紹介でしたが、実際口にするサケは生食なら圧倒的にトラウトサーモンが多いでしょうし、加工品ならカラフトマス、バター焼き用ならアトランティックサーモンやギンザケ、塩焼きならベニザケというように使い分けている場合が多いですし、意外にシロサケって食べてないんじゃないかなぁ・・・と思ったのですが、皆さんはいかがでしょうか?