ブラウン Ⅱ
![]()
最近、外来魚でお騒がせなのがこのブラウンといわれるヨーロッパ原産のトラウト。ヨーロッパではトラウト、鱒というとこのブラウントラウトの事を指す。シューベルトの『鱒』も、もちろんブラウンのこと。このブラウンは魚食性が強いことでも知られているが、意外にも原産のヨーロッパでは外来魚のニジマスやブルックに分布域を侵食されて数を減らしている。通常、フランス料理やドイツ料理で鱒を使う場合は、このブランを使うか、降海型のシートラウトを使うのだが、最近は日本でもおなじみのトラウトサーモン(ニジマス)が使われている。旅行ガイドのドイツ料理の写真にニジマスが写っていたのはビックリ。
また、原産のヨーロッパでもブラウンは河川ごとに特徴が異なり、多くの亜種や特徴的な個体群が生息していたが、放流事業によりその個性が早くから失われてしまった。
ブラウンはヨーロッパでは数を減らしているが、植民地時代から主にイギリスが植民地の各地に放流し定着している場所もある。アフガニスタンやヒマラヤ山中(中国領)などにイギリスの放流によるブラウンが生息してる。
天然の生息分布は東はアラル海に注ぐ河川、南はアフリカ大陸モロッコとされている。モロッコについても、天然魚の発見されたとされる年代と、放流された年代が同じで発見されたブラウンは放流物とする考えもあったが、現在では天然ものであるとされている。しかし、ヨーロッパからのブラウンも放流もされておりブラウン南限、サケ科唯一のアフリカ大陸生息のブラウン種は危機的状況と考えられる。
同様に放流によって危機的状況のブラウンに、地中海のサルディーニャ島のSalmo trutta macrostigma があげらる。この島のブラウンは30度近い水温に耐えられる個体群だが絶滅が危惧されている。
とはいっても、ヨーロッパを追い出されそうだからといって、日本を含めて他国でこれ以上は増えてもらいたくない魚ですね。なかなかきれいな魚なんだけどね・・・。
